Our Treatments

各疾患の解説

以下では、各疾患に対する当院における考えと、
具体的な治療方針に関して記載しております。

●ストレス関連疾患
◆適応障害(ストレスによる不眠、うつ、不安、興奮などの精神的不調)
◆身体表現性障害(ストレスによる胃痛、下痢、動悸、過呼吸などの身体症状)

何らかのストレス因子により、精神症状または、身体症状が出現している状態であり、
心療内科を受診される患者様の中でもっとも多い疾患です。
治療において、出現する症状に対する対症療法は大きな意味を持ちません。
この場合のストレスは、周囲の影響による社会的なものの場合も多く、
簡単に回避することができないことが、病状の悪化に拍車をかけてしまいます。
この疾患はストレスという形ない外的因子による、人間の「こころ」の反応です。
指を切ってしまったら、血がにじむのと同じように、
「こころ」がケガをしてしまったことによる、人間としてきわめて正常な反応です。
つまり、それは誰にでも起こりうることでもあります。
治療に重要なことは、決して焦らず、そして、考え過ぎないことです。
さらに、今のストレスに対して逃げたり、避けたり、かといって
無理に自分を適合させようとする必要はまったくありません。
このような、「こころ」の「傷」は時間とともに必ず自然に治っていきます。
むしろ、その「傷」を治すための時間の過ごし方が重要となるのです。
ストレス環境の中における、患者様の「こころ」の居場所をともに探し求め、
患者様が平穏な気持ちの中で、ご自身の治癒力で「こころ」の傷を治すために
私たちは精神療法を中心とした治療の中で、さまざまな方法をご提案します。
時にお薬を使う場合もありますが、それは治癒の目的のために使うものではなく。
患者様の「こころ」の傷が癒えるまでの間、少しでも楽にお過ごしいただくためのものです。
どうかお一人で苦しむことなく、あなたの悩みを私たちに聞かせてください。

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●睡眠障害
◆不眠(ストレスやメンタル疾患に伴うもの) ◆昼夜逆転・昼間の眠気

「体は疲れているのに眠れない」というのは非常につらいものです。
また、「睡眠時間はとっているのに、昼間に眠気がある」という症状もよく聞かれます。
多くの睡眠障害は、抑うつ状態や、不安などのメンタル疾患を背景として起こり、
絶対的な睡眠時間よりも、睡眠の深さが、障害の程度に大きく関連してきます。
睡眠障害の直接的な原因は、ストレスに対する脳の異常興奮や、
メラトニンなどの脳内の日内リズムを整えるホルモンの分泌不全と言われておりますが、
眠ら「なければいけない」という睡眠に対する義務的な考えが、焦りにつながり、
さらなる不眠を引き起こすという、意識面での負の連鎖が症状を悪化させています。
当院では不眠に対して、依存性の高い睡眠薬の漠然とした連続使用は行わず、
メンタル疾患が背景にある場合は、そちらの治療を優先して行ったうえで、
「睡眠」に対する義務的な観念に対しての精神療法を積極的に行っております。
また昼間の眠気に関しては、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症などの
身体疾患による可能性も疑われますので、そちらの検査も並行して行いつつ、
夜間における睡眠の質についての詳細な分析を行っております。
また、メンタル疾患の治療薬の副作用として、睡眠障害が誘発される場合もありますので、
多くの種類のお薬を内服されていて、不眠でお悩みの患者様もぜひ一度ご相談ください。

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●気分障害
◆うつ状態(悲観的思考や意欲減退、食欲不振や不眠)
◆躁状態(爽快気分による過活動、対人関係の悪化や浪費行動)
◆躁うつ病(うつ状態と躁状態を繰り返す)
◆常時続くイライラ(キレやすく、人に当たり、感情の起伏が激しい)

気分障害は、いわゆる「気分」の調子に大きな変化が見られるのが特徴ですが
症状が進行するにつれ、思考や行動にまで障害をもたらす事が多く、
社会的にも個人的にも、患者様にとっての影響は多大なものとなります。
また、不安や不眠、食欲不振など、他の精神・身体症状を合併する場合もあり
なるべく早い段階からの積極的な治療が望まれます。

うつ状態には、心因性疾患のものと内因性疾患のものがあります。
(内因性疾患、心因性疾患についてはこちらをご覧ください)
心療内科を受診される方の、うつ状態の大半は心因性疾患に分類されます。

心因性のうつ状態は、ストレスという心因を原因として発生したものであり、
誰にでも起こり得る疾患であり、現在、社会問題にもなっております。
うつ状態が長く続いて、社会的に障害を引き起こした状態をうつ病といいます。
治療にあたっては、まずは患者様のおかれた環境や状況を把握する事から開始し、
原因となっている精神的なストレスが患者様に与えている影響を詳細に分析します。
精神療法やカウンセリングを主体とした治療法が効果的ですが、
患者様の苦痛を緩和するために、一時的に抗うつ薬の服薬を併用するのが一般的です。
心因性のうつ状態・うつ病は、時間の経過とともに必ず治癒すると言われております。

躁状態というのは、うつ状態とは逆に、過度に気分爽快・活動過多になることによって、
思考・行動障害を原因とした、様々なトラブルを引き起こしている病態のことを指します。
極端な浪費や、計画性のない借金、対人関係の悪化、貞操観念の喪失など、
本人に病気の自覚がない状態で起こした行動による損失は多大なものとなります。

繰り返し出現するうつ状態や、躁状態に変化していくうつ病は、
脳の機能障害を原因とした、内因性疾患であるとの見方が現在のところ一般的です。
治療は抗うつ薬や気分安定薬を用いた薬物療法が主体となります。
特効薬とも言えるお薬が存在し、非常に治療効果は高いのですが、
継続した治療が必須ですし、患者様に対する周囲の理解とサポートが望まれます。

基本的に、抗うつ薬や気分安定薬に依存性はありません。
気分障害においては、病状の推移が思考や行動に与える影響が大きく、
患者様に多大な苦痛を強いるばかりか、不利益な結果をもたらすことが多いため、
治療において、適正な薬物治療を行うべきというのが、世界的にスタンダードな見解です。
医薬品開発の発展にともない、抗うつ薬の進化は近年目覚ましく、
現在では副作用の少ない効果的な新薬が、日本国内でも多数市販されています。
当院では患者様ひとりひとりの症状に合わせ、苦痛を緩和することを第一に考え、
精神療法と薬物療法の両面からの、適正な治療法のご提案を行います。
「頑張りすぎないで・・・でも、あきらめないで」
これは、当院のスローガンであり、患者様に向けた一番のメッセージです。

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●不安障害
◆急性ストレス障害・PTSD(トラウマ体験後の精神不調)
◆パニック障害(密室・広場恐怖による自律神経失調と回避行動)
◆対人恐怖・社交不安障害(仕事や人との関わりに対する不安や恐怖)
◆全般性不安障害(対象のない持続的な不安)
◆強迫性障害(不潔恐怖や確認行為などの、無意味で、かつ本人も不快なこだわり)

不安というのは、人間誰もが本能的に持つ、高等動物ならではの感情です。
不安障害とは、「こころ」に対して強い刺激や、持続的なダメージが加えられることにより、
「不安感」が必要以上に高まり、日常生活に支障をきたしている状態のことを指します。
そのような精神的なストレスに対する耐性には個人差がありますが、
あくまで不安障害の原因は精神的なストレスそのものにあり、
ストレスにさらされる事がなければ発症しなかった訳ですから、
脳の機能自体には何ら異常のない、心因性疾患に分類されます。
(心因性疾患についてはこちらをご覧ください)
「不安」の具体的な内容は、ストレスに対する患者様の「答え」でもあります。
それらは、逃避を意味していたり、乗り越える意志を反映していたりと、人それぞれです。
治療にあたっては、その「答え」を分析し理解するための精神療法が中心となります。
精神療法とは、目に見えない「こころ」の動きを患者様の訴えから把握し、
治癒に導くための、心理的な方法をご提案する治療法であり、つまりそれは、
「社会やストレスの中における、今後の患者様自身の立ち位置」を、
ともに探し、ともに見つけ出す、という患者様との共同作業とも言えます。
患者様の症状や、苦痛の度合いによっては、抗不安薬を併用する場合もございますが、
不安障害の治療において、薬物療法は決して治療の主体とは成り得ません。
心因性疾患は脳や身体の病ではなく、形のない「こころ」の病です。
「こころ」の病を治すのは、やはりクスリではなく、「人」ではないでしょうか?
当院ではこの考えに基づき、精神療法やカウンセリングに特に力を入れています。

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●症状精神病
◆一般身体疾患によるメンタル不調(内臓の病気やホルモン異常など)
◆周産期・生理周期におけるメンタル不調  ◆脳の疾患や怪我・手術などの後遺症

身体疾患の影響により、メンタルの不調をきたすことは珍しい事ではありません。
身体疾患を原因とした精神障害を、症状精神病と呼び、有名なものでは、
バセドウ病などの甲状腺ホルモン疾患や、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、
肝性脳症などの代謝疾患、ステロイドの長期投与や、周産期の女性ホルモンの変化、
脳腫瘍・脳卒中・脳炎・脳の外科手術後などの脳実質に直接影響を与える疾患、
などにおいて、多彩な精神症状が認められることが知られております。
症状精神病は、外的因子に起因したものであるため、外因性疾患に分類されます。
(外因性疾患についてはこちらをご覧ください)
逆に、上記のような原因疾患が、メンタルの不調をきっかけとして発見されることもあります。
そのため当院では、初診時にほとんどの患者様に血液検査をおすすめしています。
治療に当たっては、もちろん原因となる身体疾患の治療が必須となりますが、
それと同時に精神症状に対しても、必要に応じて治療が行われる場合があります。
当院では、院長は内科出身であり、内科も併設しております。
心療内科の診察においても、目の前にある精神症状のみにとらわれず、
常に一般身体疾患を念頭に入れて、全身をトータルで診ることを意識しております。
また万一、そのような身体疾患が発見された場合でも、内科・心療内科の両側面からの
並行した治療が可能となっており、転院の必要がなく継続した診療が可能です。

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●パーソナリティ障害 (極端な考えや行為による周囲との不和)

パーソナリティ障害は、疾患の分類の中においては、比較的新しい概念であり、
古くには精神病(内因性疾患)と神経症(心因性疾患)の中間に位置する病態として、
「境界例」という疾患名にて呼ばれていた経緯があります。
(内因性疾患、心因性疾患についてはこちらをご覧ください)
パーソナリティ障害と診断された患者様の多くには、幼少期から思春期にかけて
何らかの精神的なトラウマ(虐待や家庭不和など)があり、それらを背景として、
自らの存在を何らかの形で主張しようとする、思考・行動パターンが見られ、
それが過度になることにより、エキセントリックな印象を与える、というケースを認めます。
パーソナリティとは日本語では「人格」と訳すのが一般的であり、
生まれつき持った「気質」に、成長の過程で形成されていく「性格」が加わって
両者が組み合わさって形成され、生涯においても変化していく、と考えられています。
つまりパーソナリティ障害は、先天的かつ内因的な要素を含む「気質」と
後天的かつ心因的な要素を含む「性格」の、両者の複合的な要因により発生します。
パーソナリティ障害は、さまざまな病型に分類され、症状も多岐にわたります。
治療においても、そうした多様な病態にあわせた、柔軟で適切な対応が求められ、
内因性疾患に準じた治療と心因性疾患に準じた治療を組み合わせて行います。
パーソナリティ障害の背景には、「こころ」の中にぽっかりと空いた「何か」が存在します。
当院では、そのような、患者様の満たされない「こころ」の訴えに真摯に耳を傾け、
その「何か」をともに探し、見つけていくことによって、
患者様のパーソナリティが、周囲を、そして何よりも自分自身を大切にできるよう
変化していくためのお手伝いができたら、と思っております。

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●摂食障害
◆拒食症や過食症(過度な痩せたい願望や、極度の食欲不振、食べては吐くを繰り返す)
◆摂食障害に伴う身体合併症(激痩せや栄養失調など)

摂食障害は、本質的には「食べる」ことに対する何らかの強い「こだわり」から生じます。
その「こだわり」は、ダイエットにおける目標に関連したものが多いですが、
体型に関する極端な美意識や、慢性的なストレス因子が起因している場合もあります。
そのような「こだわり」が、病的にふくらみはじめて、
人間の生命維持に必須である、「食事」というものに対して、
「義務感」や「罪悪感」や「嫌悪感」といったストレスを伴う感情や思考につながり、
徐々に拒食症や過食症の状態に陥り、正常に食事が行えなくなります。
そして「食べる」という行為が、日常生活において非常に苦痛な存在となっている状態です。
摂食障害では、うつや不安などの他の精神症状を合併することが多く、
慢性的な低栄養状態による脳へのエネルギー供給不足が、
さらなるメンタル不調の原因となり、悪循環に陥っているケースも見られます。
拒食の進行により、極端な栄養失調状態に陥り、時に生命に危険を及ぼすことさえあります。
当院では、「食べる」という事に対する患者様の「こだわり」を詳細に分析し、
それに対する患者様の意識を改善するために、精神療法を主体とした治療を行います。
また、栄養失調や極度の肥満などの、重大な身体合併症が出現している場合は、
脳へのエネルギー供給や、身体の代謝コントロールの正常化を目的とした
内科的身体管理や栄養指導なども並行して行い、摂食障害を全身疾患として考え、
内科・心療内科の両側面からの多角的な治療を行っております。

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●解離性障害 (ヒステリーとも呼ばれる自己同一性の欠如)

解離性障害では、非常に様々な病態が存在し、疾患の概念も難しいのですが、
ひとことで表せば「自分」の分離と喪失と言えます。
自分の中でも、周囲の人の中でも、「自分」というのは、一つの存在でなければ
いろいろなことに矛盾が生じてしまいます。
しかしこの疾患では、「自分」を構成する、感情や思考や記憶などが
どこかに行ってしまうことによって、「自分」を「自分」と感じることができず、
周囲の人も「まるで違う人のようだ」という感じ方をしたりします。
「ヒステリー」や「ここはどこ?私はだあれ?」という状態もこの疾患の一例です。
重症な場合は、さらに違う人格の「自分」が生まれてくる場合さえあり、
まるで映画に見られるような「二重人格」の状態となります。(解離性同一性障害)
解離性障害の発症の原因としてはさまざまな説がありますが、
精神的なストレスや幼少期の生育環境の影響によるものと言われており、
後天的な影響による心因性疾患と考えるのが一般的です。
(心因性疾患についてはこちらをご覧ください)
自然に治ることも多い疾患ではありますが、他の精神疾患に移行する事もあり、
治療に関しては、まずは患者様の精神背景から発症の原因を分析し、
患者様の苦痛を取り除き、自分を取り戻すための精神療法が中心となります。
また、この疾患では周囲の理解とサポートが特に求められます。

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●統合失調症 (幻覚や妄想を伴う、思考や感覚の障害)

統合失調症は、脳の神経伝達における機能不全を原因とした内因性疾患であり、
現在では発症のメカニズムもかなりの部分まで解明されています。
(内因性疾患についてはこちらをご覧ください)
昔の概念でいう「精神病」とはこの疾患を指すことが多く、
現在でも日本の全人口に対する有病率が約1%と、決して稀な疾患ではありません。
特徴としては、幻覚や妄想に伴い、正常な知覚や思考・感情が妨げられた状態となります。
(ここでいう医学用語の「妄想」とは、「訂正不可能な誤った概念や考え」のことを指し、
一般的な日常用語として使われる「とりとめのない身勝手な考え」の意味とは異なります。)
また、病状が進行してくると、次第に物事に対する興味や反応が乏しくなるといった、
自閉的な状態が目立つようになり、最終的には認知症に近い病態となる場合があります。
ご自身で病気の自覚を持ちづらい疾患ではありますが、未治療のまま経過した場合は、
不可逆的に症状が進行し、日常生活において大きな障害を残すことが多いため、
早期発見・治療が重要となり、常に病状を把握しつつ適切な治療を行う必要があります。
統合失調症は、原因がはっきりしている内因性疾患であり、薬物治療が必須となります。
(内因性疾患についてはこちらをご覧ください)
現在では原因の解明に伴い、非常に効果的な治療薬が続々と認可・市販されており、
治療を継続することによって、社会復帰されている患者様も大勢いらっしゃいます。
当院では、定期的な通院治療の中における、病状の管理・把握はもちろんのこと、
社会生活がスムーズに行えるよう、患者様の周囲の環境整備にも重点を置き、
医療と社会の両面から、患者様に対して手厚いサポートを行っております。

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●依存症
◆アルコール依存症(物質依存・身体依存) ◆ギャンブル依存(精神依存)

依存症はそのすべてが、外的因子による外因性疾患に分類されます。
(外因性疾患についてはこちらをご覧ください)
アルコールや睡眠薬、麻薬や違法薬物などの常用により
脳を中心とした身体が、生理的に対象物質を要求している状態を身体依存といいます。
それに対して、何らかの興奮や快感体験が忘れられず、
精神活動の中で対象物質を要求している状態を精神依存といいます。

アルコールや薬物による物質依存は、身体依存のみならず、
興奮や快感を伴うために、同時に精神依存も形成するといわれています。
また、ギャンブルや風俗店通い、セックスなど、強い快楽を伴う行為によっても、
精神依存が形成される場合があり、依存は必ずしも物質によるものだけではありません。

依存症の治療においては、原因となる物質や行為からの遮断が大前提となりますが、
身体依存からの離脱にあたっては、ほとんどの場合において、
大きな苦痛や精神症状(幻覚や興奮など)を伴う、禁断症状が出現します。
そのような禁断症状への対応にあたっては、専門的な経験と技術が必要とされ、
幻覚や興奮といった強い精神症状(離脱症状)を抑えることに加え、
依存物質をいったん他のものに置換するための、お薬を使った治療も行われます。
単なる我慢や根性を患者様に強いるだけでは、大抵の場合は離脱に失敗します。
また、精神依存からの離脱においては、依存に至った経緯を分析しつつ、
本人の離脱の意志と、その動機づけを明確にするための精神療法を粘り強く行います。
最近は、心療内科で処方される、睡眠薬や抗不安薬に対する依存症が増えています。
「メンタルのクスリをやめたくてもやめられない」という方はぜひ、当院にご相談ください。
なるべく患者様の苦痛や負担を少なく、かつ、もとの疾患を悪化させることなく
シンプルな治療によりお薬の量を減らし、依存から離脱する方法をご提案いたします。

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●認知症 (物盗られ妄想や夜間の錯乱などによる、周囲との不和)

認知症は、加齢にともなう、脳の微細な血管障害による血流不全や、
アルツハイマー病などの脳の変性疾患により引き起こされます。
脳の手術後や、脳卒中、脳炎などの後遺症として生じる場合もあり、
必ずしも、高齢者にのみ発生する疾患ではありません。

・記憶障害(昔の記憶の欠落や、新規の記憶の障害)
・見当識障害(時間や場所や人がわからなくなる)
・認知機能障害(計算や判断、会話、知覚、行動などの障害)
が三大症状であり、未治療の場合、症状は進行性で不可逆的と言われています。
認知症はこの先、誰にでも起こり得る疾患でもあり、
治療に当たっては、病気の自覚のない患者様の尊厳を保って行う必要があります。
そして、あくまで治療は患者様のために行うべきというのが大前提であり、
決して周囲の方のために行うものであってはなりません。
認知症では、上記の三大症状に関連した、さまざまな精神症状を認めますが、
症状に対するメンタル的な側面だけからの、対症療法では解決しない場合も多く、
内科的・脳外科的な観点から、認知症という病態全体を考えた治療が必要になります。
当院では、認知症の患者様が、自分らしさを保った上で、
周囲の方たちの中で、円満に過ごせる時間を一日でも長くできるように、
認知症を全身疾患としてとらえ、治療や症状の進行抑制に取り組んでおります。

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●性同一性障害 (自らの身体的な性別に対する違和感)

性同一性障害とは、自らの身体的・肉体的な性別に対して、
意識・思考・感覚の中において常に違和感があり、
それに対して強い苦痛を感じている状態のことを指します。
ある有名な学園ドラマにおいて、
生物学的には女性そのものなのにもかかわらず、それに馴染めず、
「自分は本当は男性なのではないか」という考えが常にあり、
自分の存在に疑問を感じ、悩みぬいた末に、男性用の学生服で登校するようになり、
男性のように乱暴にふるまい、周囲とのトラブルを繰り返す、という
エピソードが放送されて以来、一躍有名になりました。
現在の日本の精神医学では、「性同一性障害は病気ではない」
との認識が主流となっており、あくまで個人の個性としてとらえる風潮があります。
また、同性愛や、異性装との関連性も一切ありません。
ただ、障害として名前が認知されたとはいえ、現在の日本では周囲の理解は乏しく、
文化的にも社会的にも、それを受け入れる環境にあるとは決していえません。
そのため、性同一性障害の方が、「自分の性」というものに対して、
持続的に、精神的なストレスを感じている状況であることに変わりはありません。
性同一性障害は、病気ではありませんので、本来、治療の対象ではないはずですが、
ストレスに対するサポートに関しては、私たちはプロフェッショナルです。
当院は、「性」に関するどのようなお悩みに関しても、ご相談に応じますし、
患者様のストレスに対して、最善と考えらえる方法のご提案をさせていただきます。

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●発達障害
◆自閉症・アスペルガー症候群(注意や興味の狭窄、対人関係不和や意思伝達不良)
◆学習障害(一部の領域における知的能力の低下)
◆注意欠陥・多動性障害(幼少期からの過活動や集中力・注意力の低下)

発達障害は、生まれながらにして、脳の機能に何らかの問題がある内因性疾患であり、
それによって、患者様の能力や行動に、部分的な障害をきたしている疾患群の総称です。
(内因性疾患についてはこちらをご覧ください)
ニュースなどで取り上げられたことによって、これらの各疾患の名前だけ有名となり、
疾患やその病態に関する間違った認識が一人歩きしている風潮が見られますが、
発達障害が疑われる場合でも、症状が年齢とともに変化していく上に、
個人の個性や、成長における差異の範疇との区別は非常に難しく、
その診断は非常に慎重に行われなければなりません。
治療に関しては、内因性疾患であるため、薬物治療が必要となる場合が多いですが、
対人能力や社会性の向上を目的とした、環境構築や訓練などの人的なケアが必須となります。
適切に治療が行われ、ご自身の能力を生かすことが可能な環境が与えられた場合、
社会において、並外れたご活躍をされている患者様も大勢いらっしゃいます。
私たちは、治療のみでなく、患者様の社会とのかかわりに関しても、
積極的にご提案をさせていただき、患者様のサポートに全力で取り組んでおります。

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